ラストサムライのロケ地 | 石岳展望台

ラストサムライのロケ地、石岳展望台は佐世保駅から車で約15分、標高191mの石岳頂上にあります。頂上付近の駐車場までは車で行くことができますが、そこまでの山道はかなり狭く、車2台がぎりぎり対向できるくらいの道幅です。駐車場は開けた場所にあり、相当数の車を停めることができます。駐車場からは歩いて展望台へ向かいます。

 

石段をひたすら上ることになりますが、かなり表面が凸凹していますので、歩きやすい靴を履いていった方が無難です。展望台までは5分ほどの距離ですが、体感的には結構な距離に感じます。そうこうしているうちに、ようやく海が見えてきました。

 

石岳展望台は、そこから眺める夕日が綺麗なことで有名で、夕方から日没にかけては多くの観光客や写真家で賑わいます。眼下には、大小208の島々からなる九十九島が広がっています。島の密度は日本一といわれ、島や周囲の海域には多様な動植物が生息しています。この貴重な自然環境を維持するため、1955年に九十九島のほぼ全域が国立公園に指定されました。現在、人が住む有人島は4島、その他はすべて無人島になっています。九十九島パールシーリゾートからは遊覧船が出ているので、島々を間近に観ることもできます。

 

ラストサムライは2003年公開のアメリカ映画で、明治初期の日本が舞台になっています。主演はトムクルーズ。日本からは渡辺謙、真田広之、小雪、池松壮亮などが出演しています。渡辺謙がハリウッド進出の足掛かりとなった作品です。石岳展望台でのロケは2003年9月21日に行われ、日本の自然美を映すシーンとして、映画の冒頭に使われました。納得のいく映像を撮るために1週間ほどかかったといわれています。

 

明治維新を成し遂げた政府は、植民地支配を拡大する西洋列強に立ち向かうべく、軍事の近代化を急ぎます。その過程で、サムライは悪しき時代の象徴として忌み嫌われ、廃藩置県や廃刀令などの施策を通じて弱体化が図られます。まさに、三畳紀から白亜紀にかけて繁栄を謳歌した恐竜が絶滅したかのように、徳川300年を支配したサムライも絶滅の時を迎えていました。渡辺謙が演じる勝元盛次は、そんな時代のさなか、吉野の里の族長としてサムライであることに誇りをもち、その一族も士道を極めるために日々鍛錬し、つつましく暮らしていました。勝元は、政府が西洋化を急ぐあまり、日本の良き心(サムライの精神)を蔑ろにし、すべてを悪として葬り去ろうとしていることに危機感を抱いていましたが、そんな折、天皇に謁見する機会を得て、サムライの魂である刀を献上しその気持ちを伝えようとします。しかし、天皇の取り巻きの人達に阻まれて成就しません。それどころか、廃刀令の施行中に刀を持参した罪で捕らえられてしまいます。一度は、一族の助けで監禁場所から脱出し郷里に戻りますが、今度は近代兵器を携えた政府の軍隊によって攻められます。多勢に無勢、勝敗は誰の目にも明らかでしたが、勝元軍はここを死に場所と定め、どれだけ傷つこうとも、攻撃・突進をやめません。その死をも恐れぬ振る舞いに、一瞬、政府軍はたじろぎ総崩れになりかけますが、最後は回転式機関銃ガトリング砲を持ち出し、迫りくる兵を撃ち払います。勝元も銃撃を受け、最期を悟り、ともに戦ったネイサン・オルグレン大尉(トムクルーズ)にとどめを刺すように頼みます。亡くなる瞬間、勝元の脳裏には桜吹雪の映像が流れます。映画の前半に語った言葉「完璧な桜の花の美は一生をかけても見つけるに値する」を自分の人生になぞらえ、「Perfect! It’s all perfect』と呟きながら息を引き取ります。

 
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空を赤く染めながら沈みゆく太陽を眺めていると、その神々しい風景を片時も見逃したくない、そんな気持ちになります。 ぜひ一見!